質問8 コミュニティスペースに来てもらうための方法は何かありますか? イベントのテーマに興味を持ってくれた方は来てくれるのですが、地域に新しく住み始めた方には、なかなか参加してもらえません。
山納 僕はあまりそういうことを考えたことがないのですが、「コールアンドレスポンス」であることは間違いないです。「これっていいでしょう、おもしろいでしょう?」「いいね、おもしろいね」ということを繰り返していると、人は集まります。今は、フェイスブックやツイッターでも人は集まってくれるので。
僕は、中崎町でやっている「コモンカフェ」を、コミュニティカフェとは思っていないんです。自分のやりたいことを試してみる実験劇場と考えています。
それがすごくおもしろそうであれば、旧知の人も新しい人もやって来るだろうし、大阪の中心地にあって足の弁もよく京都からでも神戸からでも来られる。実は地元の人が来なくても成立するんです。「地域の人」ということを自分のミッションとして背負っていない、というのが正直あります。
坂倉 非常に悩みとしてはよくわかります。住民の新旧は別として、今の社会、非常に近いところから人に来てもらうというのは難しい。
「芝の家」は、港区の芝地区のコミュニティができれば、その外でどんなことが起こっても別にいいわけです。例えば、わかりやすい例を挙げると、有名人や誰もが関心を持つテーマのイベントをやると、東京中から人を集めてくることはたやすい。でも、ある一定の範囲から人を集めようとすると意外と難しくて、芝地区の中にそのテーマを出したときに何人ぐらい来るのか、最初はすごく検討がつかなかった。やりながら、段々わかってくるみたいなところがあります。
もう一つ大切なことは、今、地球の裏側にすぐ届けられるメディアはあるのですが、通りを一つ挟んだ隣の筋の人に届けるメディアは全然ないんです。ですから、近いところから集めようとしたときに、まず、どの媒体を使うとそこに届くのかということに、実は、私たちも苦労しているんです。区の広報紙にはできるだけ出すとか、町会の掲示板に貼るとか、町内会の人にちゃんと言うとか、老人会の人にお知らせするとか、小学校に持って行って子どもに配ってもらうとか、そういうことを地道にやっていると、段々と近所の人の率が上がってきたりします。
また、地域に古くから住んでいる人、新しく住んだ人では、年齢層や職業、所得が違ったりしますので、どのテーマの催しをするかによって変わるのではないかと思いました。
了