上田 これまで私たちは、助成金と喫茶店のふりをすることと寄付で活動を賄ってきましたが、もうすこし長期的に活動ができるように、事業の部分を大きくするか、もしくは福祉制度を活用するかを考えてみたんです。それで、自分たちで稼ぐ仕組みとしてゲストハウスをやってみようと思ったんですね。
ゲストハウスはこちらでご覧いただけます
Cocoroom Café Garden Guest House http://cocoyadoya.org/#
東京一極集中で、地方が孤軍奮闘しているじゃないですか。大阪に、セミナーや会議があった時に泊まって、「今日はあの人が泊まった」「今度あの人が来る」「この人とこの人が出会ったら、いいんちゃう」といった場所があってもいいのにな、とずっと思っていました。泊まる場所自体が現場を持っていて、様々な仕組みや特徴があって、いろいろな人が来て、情報共有ができる場所だったらいいなと。
さらに、釜ヶ崎のおじさんたちはどんどん高齢化していて、出歩くのがしんどくなってきているので、おじさんたちに行きたいと思ってもらえる楽しい場所であるといい。そんな新しい出会いがあるゲストハウスができたらいいなと思っていて…。そうしたら、物件が出てきて、4月にオープンになったんです。
山納 だから、今年に入ってから假奈代さんは大忙しで、寝ていないのではないかという日々を過ごしておられます。
場は、基本的に自分で作って、自分がそこに座って待つことになるわけです。釜ヶ崎に場をつくるというのは、アウェーという言い方がいいのかどうか分かりませんが、相当アウェーだったと思います。
でも、場の主人がそこにいるということは、自分の成長がおろそかになることがあります。これを、僕は、この『つながるカフェ』の本で「自分がお留守になる」という書き方をしました。自分が変わっていく、新たな出会いをする、何かに感じ入るような機会をもう1つ別に持っていないと場はしんどいです、ということを投げかけて、終わりたいと思います。
假奈代さん、本当に今日はありがとうございました。
上田假奈代さんおすすめの本
『ザツゼンに生きる』http://www.kanaloco.jp/article/169836
『カプカプのつくりかた』http://kapukapu.org/hikarigaoka/
山納 洋さんおすすめの本
『カフェ・ジェネレーションTOKYO』永井宏河出書房新社 1999年